夜叉の焔(4) |
作者: 和解夢路 2011年05月24日(火) 20時47分04秒公開 ID:GutrMM.I572 ジャンル:-- |
俺が歩く、それに並び結城が歩く。 俺らが歩いているとき、後ろから聞き覚えのある女子の声がした。 「おーい結城!」 「あ、杏里」 天沼杏里。 俺らと同じで小学校からの付き合いだ。 正確には結城との、だがな。 「今日日直だよ!?」 「あ、今日日直なの忘れてた!」 「そうなのか?なら先行けよ」 「ありがと!ごめんね!」 結城は杏里とともに急いで学校へと走っていった。 寂しいな…… 俺らが使っているこの通学路は使う人が少ない。というかいない。 使うのは俺、結城、杏里の三人だけだ。 俺らが家を出てからまだ十分とたっていない。 つまりあと二十分以上は一人ということだ。 一人だとこんなにも寂しいものなのか? 「ああ、本当に寂しいな……」 俺が呟いき空を見上げたとき、空に一つの眩い光が見えた。 (ん?星か?いや、今は朝だしな、そんなはずは……) その眩い光はこちらに真っ直ぐ落下しているように見える。 (あれ、あの光、だんだん――) その光はだんだんとこちらに落下してきている。 (こっちに落下して――) 光との距離、約三十メートル。 その光がだんだんと大きくなっていき、最後にはこちらに落下して―― 「来るっ!?」 その光が俺の目の前に落下してきた。 ズガァン、とその不思議飛来物体が道のコンクリートを砕いた。砕けたコンクリートの煙がもくもくとあたりを漂う。 「けほっ、な、なんだ!?」 もくもくとあたりを漂う煙はだんだんと薄れてきた。 その薄れた煙からは人影のようなものが映し出された。頭には突起物が付いている。 そしてその薄れてきていた煙は無くなり、俺の目の前には女の子座りをした女の子が現れた。 ピコピコ。 「ん?」 ピコピコ。 「え?」 女の子の頭の突起物が動く。 ……猫?女の子? ピコピコ。 ……猫女? 「にゃぁん」 「え、えぇええええええ!?」 俺の目の前に、猫女が降ってきました! |
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