ダークネス〜闇を継ぐ者〜 |
作者: 零雅◆h76VqLg5SsI 2011年04月17日(日) 04時38分12秒公開 ID:hsGCdAlxRq6 ジャンル:ファンタジー |
プロローグ 『闇』は、闇狩りと対立していた。 『闇』の息は荒く、体には無数の傷跡が目立つ。一方の闇狩りは、一見、なんのダメージもない様に見えた。 とはいえ、それはあくまで『鎧』という装甲《アーマー》越しの見た目。 装甲の内側の闇狩りには、かなりのダメージを与えているに違いない。 闇狩りは、低く槍を構える。 ギラリ、と。 夜の月の光を浴びて、槍が怪しげに光る。 闇狩りは言う。 「この世の秩序を守るために、今ここで、この名にかけて、貴様を殺す」。 『闇』は思った。 所詮、この程度。 自分は闇で、奴らは正義。 その差異は……どこから生まれたのだ? この、外見か? 人間《やつら》とは少し違う、この外見がその原因というのか? ふざけるな。 迫る槍を安易にかわし、闇狩りの鳩尾に強烈な拳を叩き込む。 殺しは、しない。 『闇』には、彼を殺せなかった。 悪と、正義。 対象とされている2つは、何が違うのだ。 悪ではならない、と人は言う。 正義であれ、悪はいけない、と。 悪とは、何だ。 正義とは……何だ。 |
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